取り残された日本政府
米国のトランプ大統領が、北朝鮮の金正恩委員長と5月に会談を行う意向だとの速報が流れた。
日本政府は、どのような対応を取るつもりでいるのだろうか。
トランプ様が仰るのだから、私たちもそれに従うのが当然で、初めからそのように思っておりました。日本も対話の道は閉ざしておりませんし、今までもそのような姿勢を取り続けておりました、とでも言うのだろうか。
北朝鮮が核開発を断念するまで、日米韓で圧力をかけ続けなければならない。中国やロシアにも同調してもらうだけでなく、世界中の国が北朝鮮に圧力をかけるように働きかけるのが、日本政府の一貫した方針ということで、北朝鮮との一切の対話チャンネルを封鎖して来たのではないか。
ところが、肝心の韓国は、平昌オリンピックを契機として北朝鮮との対話に成功し、オリンピック後は特使を平壌に送り北朝鮮との国交正常化に向けての合意に到っている。
特使は、米国に立ち寄り北朝鮮との会談の内容を、トランプ大統領に伝えた。
トランプ大統領の発言は、その報告を受けてのものである。いつも自己中心的かつ独善的な外交を推し進めるしか能のない大統領かと思っていたが、実際は(本人なのか側近なのか分からないが)状況に応じて素早く対応できる政治的判断力を持っていたということだ。
ひるがえって、我が国の安倍首相はどうなのだろう。韓国の特使は、金正恩委員長との会談の報告を安倍首相にも伝えるはずだが、どのように対応するつもりなのだろう。
だいたいが、北朝鮮との対話のチャンネルを持っているのだろうか。すべてを閉ざして、圧力一辺倒でやって来たのだから、日本政府が独自に東北アジアの安全保障のために動くことができるのだろうか。拉致問題の解決にしても、選挙中の公約に掲げるだけで安倍政権の下ではいっさい進展が見られない状態だ。
おそらく、今後も米国の出方を見て、そのあとに従って行くだけなのだろう。
と書いていると、安倍首相が4月に訪米して北朝鮮への対応について日米首脳会談を行う方向だという速報が入って来た。
そこで、またしても、「北朝鮮が具体的な行動をとるまで最大限の圧力をかけていく。この日米の確固たる立場は決してゆらぐことない」と強調と報じられている。
独自に動くことはない。動くこともできない。相手に信用されていない。空いばりのポチ外交。
安倍首相にこれ以上を期待するのは無理だと思うし、日本国のためにもならない。
安倍晋三ではない、もっとましな人間に首相になってもらい、対北朝鮮との外交を進めるしかないと思う。