春、証人喚問

昨日、国会で佐川宣寿財務省理財局長のの証人喚問があった。

参議院での証人喚問の質問のトップには自民党丸川珠代議員が立った。

しかし、彼女は何を佐川氏から聞き出そうとして質問に立ったのだろう?

公文書改ざんが誰によってどういう目的でなされたのかという疑問。また、森友学園が小学校を建設するために購入した国有地が、相場の8割も値引きして売られていたのは何故なのかという疑問。これらの疑問を解決するために証人喚問を実施したはずなのだ。

ところが、丸川珠代議員のやったことは、その解決のための質問ではなく、安倍晋三首相や昭恵夫人麻生太郎財務大臣、その他安倍政権周辺が事件と関係がないことを、情けないほど単純で稚拙な質問をして証明しようとしただけなのだ。

大体が、彼女は安倍チルドレンの一人で、安倍晋三首相のヨイショ軍団の一人であることは自明のことなのだ。そして、この森友問題は、最初から安倍晋三首相と昭恵夫人の関与を巡って動いて来たことは客観的な事実なのである。だから、彼女がこの問題に関する証人喚問の質問者の一人になるというのは、はなはだしい矛盾でしかない。そもそも、こんな質問者を選んだことからも、自民党という政党のどうしようもない劣化状態が分かるというものだ。

繰り返すが、彼女の質問内容というのは、徹頭徹尾、安倍晋三首相、その妻昭恵氏、官邸の官房長官官房副長官、総理秘書官、安倍総理の秘書官、麻生財務大臣、麻生財務大臣の秘書官、財務省事務次官内閣官房などの大臣官房や他の局の幹部などから、佐川宣寿財務省理財局長に公文書改ざんの指示があったかなかったかということの繰り返しに過ぎなかった。

森友学園のの国有地の貸付契約、売買契約においても同様の繰り返しをしただけであった。

この質問の手法は、その企みが露骨すぎるほどストレートで、犯罪者が犯罪を犯していないことを証明するために、当の犯罪者に「あなたは犯罪を犯してはいませんね」と訊いているようなものだ。もちろん犯罪者は犯しましたとは答えない。しかし、だからといって、この犯罪者が犯罪を犯さなかったという証明にはならないない。犯罪者はいくらでも嘘をつくだろうから。

もう少し喩えを正確に述べると、犯罪者に「あなたが命令を拒否することができないあなたの親分は、あなたにその親分の犯罪の証拠隠滅を計るよう命じてはいませんね」と尋ねているようなものなのだ。

犯罪者は「はい、命じられたことはありません」と返答する。でも、その答えは、親分が無実だということを証明しはしない。

こんなバカな質問と答えが、丸川珠代議員と佐川宣寿財務省理財局長の間でずっと続いたのだ。

こんな質問で、丸川珠代議員は、親分が犯罪を犯していないことを証明できると思っていたのだろうか。また、質問が終わった今は、親分の無実の証明に成功したと思っているのだろうか。

彼女は、佐川氏の返答から総理、総理夫人、官邸からの指示はなかったと結論づける。

そのバカさ加減に呆れてものも言えない。

証人喚問が終わった後、自民党の菅官房長官といい二階俊博幹事長といい、揃いも揃って、これで文書改ざん、森友問題の真相解明は終了したようなことをコメントしていた。

バカの極み。腐敗の極みで悪臭芬芬、ヘドが出そうである。

海外からは、北朝鮮金正恩が中国を電撃的に訪問し習近平と会談をしたことが、速報で伝えられた。

東アジアの国際情勢は劇的に変化しているのに、日本は何をしているのだ。一人置いてきぼりの状態で、政府の信用は地に落ちている。

まさか、わたしが憂国ということを真剣になって考えるとは、思ってもいなかった。