面白くない思い出
昔、エレベーターに乗ろうとしたら、初老の男性が出て来た。すれ違う前から、すぐに、その男性の社会の窓が開いているのに気づいていた。
ちょっと紳士風な男性だったので、このままその状態を告げずに立ち去るのは、恥をかかせることになると思い、あとを追って、小声でそのことを知らせた。
すると、驚いたことに酷く叱責されたのだ。
なんで、そんなことを言うのだ! そんなことは告げなくていいのだ‼︎
そして、わたしを押しのけて行ってしまったのだ。
わたしは驚いて二の句が継げなかった。余計なお節介だったというわけなのだ。出しゃばったことはするな、ということなのだ。
こんな人もいるのだと、怒りが込み上げて来た。
確かに、相手の気持ちを考慮しないで、こちらの思い込みで行動してしまい、相手を傷つけてしまうこともある。
でも、これはどうなのだろう。わたしは何もしなくて放っておけば良かったのだろうか。
こんなことでも相手の自尊心を傷つけてしまうことがあるのだ。自尊心が傷つく人がいるのだ。怒って体をぶつけてくる人がいるのだ。
いやな思い出として、心に残っている。
よくよく注意しなければね。