日本の面積

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西之島(「ホウドウキョク」より)

今朝、NHKラジオを聞いていると、国土地理院が日本の面積が広がったことを発表したと放送していた。小笠原諸島無人島である西之島の噴火のせいで、少し面積が増えたそうなのだ。

聞いていて、なんだか違和感があった。朝から、国土が広がったという放送を聞くと、なんだか国土の拡張が良いことのように聞こえてしまうのだ。そんな意図はないと思うのだが、領土拡張主義を連想してしまう。

西之島の面積が、少しばかり広がったことを発表するのがいけないというのではないが、国土地理院は、福島の面積についても発表してもらいたい。放射能汚染のせいで使用できなくなった面積がどれほどになっているのかを。日本の面積から、その面積を引くとどうなるのかを。福島第一原発の事故のせいで、失われた日本の面積は膨大なものになるはずだ。

NHKもジャーナリズムならば、それくらいな報道はして欲しい。そして、誰に責任があるのかを。

いくら除染をしても、元のようには戻らない。人体には影響がない放射線量になっているから、再び、住むことができますよと言っても、元のようにはなっていないのだ。今でも結構な放射線量なのに帰還を勧めている。

放射能は、目には見えないからね。騙されてしまう。

国土地理院のホームページを見てみる。すると、国土地理院が「日本の国土の面積は、377,973.89平方キロメートルに」という記事を報道発表したのは、今年の1月31日だったということが分かった。記事には、次のような説明が書いてある。

「国土の面積の公表は、明治15年(1882年)に太政官統計院によって初めて実施され、人口統計と並ぶ古い歴史を持っています。現在は測量法(昭和24年法律第188号)第12条の『基本測量に関する長期計画』に基づき、国土地理院が毎年公表しています。この情報は、国勢調査報告における人口密度算出や地方交付税算定の基礎データになるなど、様々な分野で利用されています。」

人口密度の計算や地方交付税算定の基礎データとして使われるらしい。

そこで、測量法第12条を見てみると、たった1行こう書いてある。

(長期計画)
第12条 国土交通大臣は、基本測量に関する長期計画を定めなければならない。

基本測量に関する長期計画」は、国土交通省告示第495号として平成26年4月9日に発表されていた。長期計画は10年ごとに立てることになっている。何も、国土の面積を調査するだけのことが書いてあるのではなく、測量計画全体のことがかなり詳しく書かれている。

さて、それにしてもNHKは、1月31日に国土地理院が報道発表した記事を、なぜ今ごろ発表したのだろう。今日は、2月20日ですよ。20日も経ってラジオで流すのなんて、ちょっと遅すぎやしませんか。不思議、不思議。