高尾山へ

珍しいことに、奥さんが高尾山へ行こうと言い出したので、一緒に行くことにした。

前夜、遅くまでハイボールを飲んでいると、先に寝ていた奥さんが起きて来て、行くつもりはないのかと怒鳴られた。

慌てて寝床に潜り込み、朝まで熟睡して寝覚めも良かった。

一方、奥さんはというと、久しぶりの登山に緊張して、なかなか眠ることができず、夜中に何度も目が覚めたという。今朝も、機嫌が悪く、なんとなくイライラしている。

 

高尾山口駅のコンビニで、昼食用の弁当を購入して、200メートルほど先の登山口に向かった。

あまり登山をしない奥さんを考慮して、一番無難な表参道コースを登ることにした。

 

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年寄りは、十分にストレッチをして、最初はゆっくり登って行かなければならないのだが、気の焦っている奥さんは、私を置いてさっさと登り始めた。

よくない前兆である。

 

50メートルほど先を奥さんが登っている。後を私がゆっくりとついて行く。

そのうちに奥さんに追いついた。

勢い込んで出発したにしては、もう何となくヨタヨタとしている。

ゆるい九十九折りの最初の曲がり角に来たところで、余りに疲れているようなので、しばし休憩を取る。

息も絶え絶えだ。

次の曲がり角で、再び、休憩。そして、次の曲がり角でも休憩。

15分登って10分休憩、10分登って10分休憩、というような具合。

 

ここからは、一本道が真っ直ぐケーブルカーの到着駅まで続いている。

この道でも、しばらく歩くと休憩を取らなくてはならないほどフラフラし始め、耳の奥がボワーンとして仕方がないと訴えて来た。

かなり心配な状態である。熱中症になったりしたら大変である。

再び、休憩を取った。

 

ケーブルカー駅の店屋でソフトクリームを食べよう。頂上まで行くかどうかは、その後で決めようと励まして、本当にゆっくりと歩みを進めて、やっとケーブルカー駅の売店の前に到着した。

 

350円のソフトクリームを2個買って、前のベンチに座って食べる。

遙か下には、八王子から町田、相模原の風景が広がっていた。

あいにく空気がよどんでいたので遠くの見晴らしは良くなかったが、新宿や横浜らしき方向にもビルが薄ぼんやりと眺められた。

ソフトクリームを食べながら、しばらく2人でそんな景色を眺めていた。

ともかくも薬王院まで行って、頂上まで登るかどうかは、そこで判断することに決める。

 

薬王院は観光客で賑やかだった。外国人も多い。

結局、頂上には行かずに引き返すことにした。無理をしてはいけない。熱中症で倒れでもしたら、あの世行きである。

境内で、駅で買った弁当を食べてから元来た道を戻った。

 

帰りはリフトに乗って下った。降りた後、駅に隣接する高尾の日帰り温泉施設「極楽湯」に浸かって帰宅した。

奥さんは疲れ果てた様子であったか、何事もなくて幸いだった。

夜は、回転寿司を食べに行った。奥さん、いっぱい食べた。これだけ食べることが出来たら大丈夫だろう。

それにしても、暑い日だった。