沖縄の巨人の死

海の向こうの沖縄の一人の巨人が死んでしまった

病に倒れていても屈することなく、いつか病が退散すると思っていたのに

最後まで己の信念に忠実で、だから、決して他者を裏切ることなく、誠実に生きて、そして、突然、死んでしまった

東京にいる小人は、沖縄の巨人の死に一切触れない

脳みそが腐って融け落ちた老俳優の死について語っただけだ

あとは自分の権力を維持することだけに、ちょこちょこと動き回っている

台風の襲来の陰に隠れて、つまらない情報を垂れ流すだけのマスコミをいいことにして、これ幸いとばかり、国民に対してじっとダンマリを決め込んで、時が過ぎて行くのを待っているのだ

この小人の頭の中に沖縄は存在していない

同様に、この小人の中に生活に苦しんでいる大多数の国民は存在していない

この小人の頭の中にこの国の未来も存在していない

この小人の中で決定的に欠けているものは想像する力だ

他者を想像する力 他者の苦しみを想像する力

他者に共感すること その能力

ああ ペテン師のお前には、決定的に欠けているのだよ

沖縄を想像する力が決定的に欠けているのだよ

辺野古の碧い海を想像する力が、その向こうにあるジュゴンの可愛らしい丸い目を、自然の優しさと厳かさに思い至る力が

決定的に欠けているのだよ

ああ 沖縄の巨人が亡くなってしまった

今 沖縄は大きな喪に服していることだろう

大きな悲しみの中に沈んでいることだろう

沖縄は負けてはならない

こんな東京のペテン師に負けてはならない

私たちを取り戻すために

私を取り戻すために

沖縄に連帯し続ける