立山山行

暑くて、暑くて、東京には居られないと思い、また、これが一番気にかかっていたことなのだが、このしつこい腰痛の状態で山に行くことができるかどうかの確認もあって、8月の1日から3日間、立山にキャンプに出掛けた。

 

1日目

高速バスで信濃大町まで行き、その後、路線バスに乗り換え扇沢に向かった。水曜日なのでそれほど人は多くない。

扇沢から乗ったトロリーバスも、ゆったりと座って行くことが出来た。

ケーブルカー、ロープーウェイ、そして再びトロリーバスと乗り継いで、やっと室堂のターミナルに到着した。

 

f:id:maturinoato:20180806142132j:plain

気温18度ちょっと。やって来た甲斐があったというものだ。

バスターミナルで腹ごしらえをしたあと、雷鳥沢キャンプ場に向かった。

 

f:id:maturinoato:20180806144230j:plain

キャンプ場の手ごろな場所にテントを張り、管理事務所で手続きをしたあとは、ずっと夕方までぼんやりと過ごす。これが至福の時間。

f:id:maturinoato:20180806143652j:plain


日没が7時過ぎなので、夕方になってもまだ明るい。

川を渡って登山道を少しばかりぶらついて回った。

その後、雷鳥沢ヒュッテで温泉入って、ビールを買って、ツマミで飲んで、足りないので、持って来たジンビームを飲み始める。

 

明日は雄山と大汝山に登る予定だ。体調が良ければ、別山まで足を伸ばすかも知れないが、腰の調子を見るのが第一目的なのだから無理はしないつもり。

テントの外の石に腰掛けて、夜空の星を眺めながら、ジンビームを飲んでいたが、そのうち、だいぶん寒くなって来た。

周りのテントも、次第に灯りが消えて行く。私もシュラフに潜り込むことにした。

 

2日目 

1人だからあくせくしない。自分のペースで進むことができるのが単独行のいいところだ。パーティーだとこうは行かない。全てが決められた時間に行動しなくてはならないのだ。

ゆっくり食事をとって、8時過ぎにテン場を出発した。


直接、一ノ越に続く道をたどった。この道は初めて通る。この道を通って雄山に向かう登山者は少ない。というより、私以外は前を行く年寄り夫婦の二人だけだった。

岩だらけの道が続いて行く。日差しが強いので歩がなかなか進まない。

 

f:id:maturinoato:20180806142304j:plain

一ノ越に着いたあと、雄山に至る登山道を見上げる。びっくりするような急なルートが目の前に広がっていた。前にも登ったのだが、こんなに急なルートだったような記憶がない。
しばらく休憩した後、諦めて登り始める。遅々として進まず。途中、3回ほど休んだ。
とにかく、あがいているうちに頂上に着くことが出来た。

f:id:maturinoato:20180806142347j:plain

この体調で、雄山に再び登ることが出来たので、なんとなく感動してしまった。

 

山頂は人が多いし時間もかかったので、先を急ぐ。


まずは大汝山。

結構遠かった! 休憩所があり、その傍から20メートルほど登ると頂上だ。

f:id:maturinoato:20180806142437j:plain

大汝山休憩所は、映画「春を背負って」の舞台に使われた。休憩所の中にある入り口の横には映画で使われた「菫小屋」と書かれた看板がさりげなく置かれてあった。

映画のことを知らない人には、なんのことか分からず混乱を来すだけだろうが。


ぐるっと廻って雷鳥沢に下りることに決めて、冨士ノ折立に向かった。前回は疲れていたし、荷物も重かったので素通りしたところだ。

f:id:maturinoato:20180806142514j:plain

今回も疲れていたが、もう来ることがないかもしれないので、登ることにした。

 

f:id:maturinoato:20180806142554j:plain

真砂岳の前から左にコースをとって雷鳥沢に下った。


とりあえず、廻ることは出来たが、時間もかかるし、体力はついて行かない。腰も重い。
俺はどうなるのだろう? 山に登り続けることができるのだろうか?


雷鳥沢キャンプ場は、昨日より人が多い。

今日も、雷鳥沢ヒュッテで温泉に入り、ハイボールを2缶買って飲んだ。
明日は奥大日岳も弥陀ヶ原もよして帰るかなと、かなり弱気になる。

 

3日目
次の朝起きたら、体調もいいし気力も戻っていたので、やはり奥大日岳に登ることにした。


朝飯を食べた後、支度をすませてテントを後にする。


奥大日岳には登ったことがない。奥大日岳に至る登山道と劔御前に至る登山道の分岐で、間違えて劔御前への道を登ってしまった。ロスすること20分ほど。何をしているのだか!

 

f:id:maturinoato:20180806142714j:plain

最初でつまずいたけれど、後はどうにか順調に進んで、2時間ほどで頂上に到着することが出来た。
途中、神戸から来た女生徒たちの一団に追い越されたり、また、追いついたりしながら登っていった。
女生徒たちは賑やかだ。

f:id:maturinoato:20180806142813j:plain

同行の先生の話だと、夏休みの恒例の行事であるらしい。

 

f:id:maturinoato:20180806142913j:plain

奥大日岳の頂上からの劔岳は、あいにく雲の中で見えなかったが、下山途中にほんの少しだけ顔を出してくれた。
頂上には20分ほどいた。

f:id:maturinoato:20180806142955j:plain


雷鳥沢に帰り着いて、すぐにテントを撤収するつもりだったが、直射日光に焼かれたせいで素早く体が動かない。雷鳥沢キャンプ場を出発するまでに1時間も掛かってしまった。
行きは良い良い帰りは恐いで、室堂のターミナルまでの上りの階段の辛かったことといったらなかった。
ともかく、3時ちょっと過ぎのトロリーバスに間に合うことが出来た。

 

室堂から扇沢に下りて、信濃大町で予約しておいた高速バスにギリギリで間に合って、夜遅く東京に帰って来た。


下山したら、もう室堂とは別世界の暑さだった。双葉のサービスエリアでの休憩中は湿度も加わった。暑いのでソフトクリームを食べた。

 
さて、腰椎骨折後の山行は、腰の調子の確認になったのかどうか。

まだ本調子ではないし、このまま、ずっとこんなどんよりした腰の重さが続いて行くような気もして、心が晴れず不安なままだが、どうにかやって行くしかないと思っている。