上高地へ
暑い東京を離れて、今、中央高速を走るバスの中にいる。上高地へ向かっているのだ。
中央道日野のバス停、6時35分発。
家を早くに出て来て良かった。まだ、歩くのに辛いほどの暑さではなかった。
今、バスは初狩を越えて笹子トンネルに向かっているところだ。
客は三分の入りというところか。空いていて丁度いい。
バスは、自分で運転するのではないから、気楽なものだ。高速道路を自分で運転するのは、もう、面倒に感じてしまう。疲れ方が違うので、松本に行くのなら、本当はバスがいい。
上高地は、何度目になるのだろう。
毎年、何度も行っているから、子供の時から数えたら、何回行っているのか分からない。
でも、今年は、これが初めての訪問になる。
松本に行くのも今年になって初めてだ。
本当に腰椎骨折が、どれほど私の人生にダメージを与えていることか。
今回の目的は、山に登ることではない。だだ単に、小梨平のキャンプ場で一人でキャンプをして来ることだけだ。一泊しただけで、明日は帰る。
体調が良ければ、上高地を散策してみることもできる。
腰の調子との相談だが。
バスの窓から左手に甲斐駒ケ岳が見える。右は、八ケ岳のような茅ヶ岳。
暑さのせいなのか、山影は薄ぼんやりとしていて、尾根は雲が覆っている。
右手の茅ヶ岳と思った山は、やっぱり八ケ岳だった。もう、雪は皆無。
12時丁度に、上高地のバスターミナルに到着した。
小梨平にテントを張る。
張り綱の取り付けが、雪山用になっていたので、外して付け替えた。
ペグが1本ダメになっていた。
つまりは、点検も何もせずにテントを持って来たということだ。
初めからキャンプ場だというので、すっかり気が緩んでいる。
でも、目の前に穂高連峰を見ると、心が洗われるような感じになる。
これから、キャンプ場の周りをぶらついて来ようと思う。