七夕近し

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七夕のことなど忘れていた。

病院帰りにマクドナルドに寄ってコーヒーを飲みながらしばらく推理小説を読んだ。その後、下のスーパーに買い物に行ったら、竹が通路の真ん中に設えられていた。竹には、隙間が無いくらい沢山の短冊が吊り下げられてゆらゆらと揺れていた。

普段はこんな情景に心を動かされることなどないのだが、病院へ行って疲れていた所為なのか、妙に懐かしく感じて近づいて行った。

 

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短冊に書かれていた字は、ほとんどが幼い字で、小学校低学年の子供たちが書いたもののようであった。

みんな、幼い願いごとを書き認めている。はるか昔に、幼かった私もきっと書いたに違いないような願いごとだ。

 

ところがその頃、私が育った家ではどんな七夕をやっていたのだったか、振り返ってもよく思い出せない。

母に、七夕が近づいてくる頃、よく織り姫と彦星の話が載ったお話を読んでもらった記憶はあるのだが、それは七夕そのものの記憶ではないし……。

確かに、七夕の思い出はあるようだし、なんともいえない切ない感覚は残っているのだが、すべては靄の中にあるようだ。

 

もうすぐ七夕だ。近所の商店街では、七夕祭りがあるに違いない。

今年、牽牛織女は巡り会うことができるのかな?

私も、幼いころの自分を愛おしんで、笹でも買ってきて短冊で飾るとするか。