タオへの奇妙な感覚

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タオが私のそばで、腕に絡みついて寝ている。ふと思った、猫のタオと人間の自分が同じ時代を生きているのだなと。

 

同じ場所で、同じ時間と空間を共有しているというのではなく、同じ時代を生きているという感覚なのだ。

説明するのが難しいが、一瞬のことではなく、長い人類の生存の、もっと言えば、地球とか宇宙が過去から永劫の未来まで続く、その時間の流れの中で、自分が存在しているほんの短い時間を(存在そのものを)共有しているという感覚なのだ。その偶然への不思議な感覚。

私がこの世界に存在して、タオも同時に存在しているのだが、それほど長い時間が経過しないうちに両者ともこの世界から消滅してしまい、二度と再び存在することはない。

にも関わらず、世界は存在し続け、そしていつか、人類も猫も、一切の生物が消え去った後に、世界そのものも消滅してしまうのだろう。

そんな永遠の一点に、タオと私がいて、それぞれが生きている時間を共有しているということに驚いたということなのだ。その不思議な因縁に驚いたということなのだ。

 

そう思ってタオをもう一度見てみると、バカな話だが、とても愛おしく思えてきた。まだ私の横で、足裏を私の太ももに触れたままぐっすりと眠っている。