CV22オスプレイ、横田に飛来
CV22オスプレイが5機、ほとんど予告なしに横田基地に飛来した。
一昨年、去年と沖縄は高江にあるオスプレイのヘリパッド建設反対の監視小屋(現在は、強制的に撤去されてしまった)に、二度ほど激励と連帯のために出かけたことがある。
沖縄は、オスプレイの墜落と騒音と低周波に悩まされ続けている。
オスプレイは、離発着の際、地面に強風と200度以上の熱風を叩きつけなければ飛び上がることができない。
そのため、ヘリパッドが建設された高江のヤンバルの森は今でも破壊され続けている。
その苦しみと不安が、今、東京にもたらされたのだ。皮肉な話だが、やっと首都圏の人間も沖縄の苦しみを実感できるようになった。
反対のためのデモか集会がないかとネットで調べて見たら、「横田基地の撤去を求める西多摩の会」が、福生の横田基地の前にあるフレンドシップパークという公園で「オスプレイ配備反対抗議集会」をやるという案内が見つかった。
怒りで抑えきれない感情を、やっと制御しながら夕方、八高線の牛浜駅に向かった。
八王子で八高線に乗り換え、拝島で青梅線に乗り継いで1本目の駅が牛浜だ。 集会は、17時から予定されている。
駅を降りると、同じ方向に行く人たちが結構いて、どうも反対集会を目指しているようである。
集会のあるフレンドシップパークに急ぎ足で向かっていると、横田基地の方から米軍のラッパが響いて来た。続いて君が代が大音量で流される。その後に、さらに米国国歌が続いた。
恥ずかしながら、横田基地で17時になると、こんな軍隊ラッパと君が代および米国国歌が、おそらく毎日流されているということを、今まで知らなかった。基地周辺に暮らしている人たちは、毎日、これを耳にしないわけには行かないということだ。かなり辛いだろうと思う。
住宅街と基地を分けている国道16号に突き当たり、道沿いに歩いて行くとすぐにフレンドシップパークに到着した。集会はすでに始まっていて、思ったよりも人が集まっている。
いくつかの報道機関もいて、ビデオを撮影していた。
主催者の話では、423人の集会への参加者があったそうである。当初、警察へ報告した予定数は、100人ほどということであったから、主催者の予想をはるかに超えた人数がこの集会に駆けつけたということだ。
私だけでなく、今回のオスプレイの横田基地への突然の配置に、危機感を覚えた人が大勢いたということなのだろうと思う。
集会は、1時間ほどで終了したが、翌日の東京新聞の社会面に、この集会の記事が載っていた。
本格配備は夏からで、今回は一時的なものだという発表らしいが、まったく意味が分からない。おそらく一時的だと言いながら、本格配備の始まる夏まで横田に配備され続けるのだろう。
腹が立って仕方がないのは、オスプレイの危険性だけではない。
日本政府のあまりの情けなさを、目の前ではっきりと見せつけられたからだ。
佐賀県の陸上自衛隊にオスプレイを配備するに当たり、政府は地元の理解を得るために時間をかけている。
ところが、今回の横田基地への配備は、米軍の勝手放題、思うがままである。日本政府への通告は、18日前にあったそうだが、それについて政府が抗議をしたという報道はない。その上、国民にそれを知らせたのは、オスプレイが横田基地に飛来する2日前に過ぎない。
米軍が東京の横田基地にオスプレイを配備することについては、大統領トランプは了承しているはずだ。
日本政府は、こんなにも日本の主権を蹂躙されて、なんとも思わないのであろうか。
一刻も早く日米地位協定の見直しに着手し、第二次大戦後の現在の日本という国のあり方を、根本から考え直して行かなくては、永遠に米国の属国であり続けることになってしまうだろう。
夢の国アメリカ。自由の国、民主主義の手本。アメリカン・ドリーム。そんな幻想は、すっかり消えてしまっている。
長期戦になると思うが、これから先も、粘り強く反オスプレイの運動に機会を見つけては参加して行こうと思う。
いつまで生きていられるか分からない。せめて生きている間に、どうにかならないかと願っている。